空間を整えるデザイン
比較的築浅のマンションは、大きな柱を室外に配置するアウトフレームや天井部に梁を突出させない構造なども出てきていますが、大半のマンションは大きな柱や梁が室内で突出しているのが実情かと思います。
ではその柱や梁、さらに動かせないパイプシャフトや開口窓をどのようにデザインしていくのか?
様々なデザインがありますが、その一つはラインを整えることになります。
窓の枠や梁と同じ高さにキッチン収納をそろえる事で落ち着いた空間になっていく。
例えば書面や本も、字体や行や列が揃っているから見やすく、意図が伝わってくる。
もしそれがばらばらだったら読む事すら難しい。
実は住まいも似ていて、ラインを整えると居心地の良さとなり、さらに片付けが続く住まいになっていく。
逆にそろっていなければ梁の圧迫感やバラバラなラインに落ち着かず、わざわざ片付かない家にしてしまっていることになる。
また天井付近の上部だけではなく、キッチンの高さと障子の桟の高さのラインを低く整えても落ち着いていきます。
さらに言えば、クランクするような間取りは迷路のようになって暮らしにくい。
これは、平面図のように上から見てもすっきりとしたラインが整うと、生活動線もきれいにおさまるという設計のテクニックといえます。
いずれにしてもリノベ前は邪魔な存在だった梁・柱やパイプシャフトを隠しながらラインを整えていくことで、美しく落ち着く空間へと変えていけるのが木のマンションリノベーションだといえます。