小上がり和室
小上がり和室とは、一段上がった小上がりの仕上げに和紙畳などを敷いた場所となります。
この小上がり畳和室のいいところは一つの空間にいくつもの役割を与えられるという点です。一石二鳥、三鳥、四鳥にもなる空間です。
一つには小上がり畳はリビングとつながる和室として使えます。
もう一つは寝室としても使え、さらに1段上がっているので、椅子・ベンチ的にも使えます。
もう一つは1段上がった下部分が全部収納になっています。
平面図という上から見た面積だけではなく、展開図のように立体的に面積を考えていくと、このような空間のとり方ができます。
例えば子供がそれぞれの部屋がほしくなり洋室を子供部屋に当てると、小上がり和室は布団を敷いて夫婦の寝室として使うことになるでしょう。その後、子供達が独立したら洋室が夫婦の寝室となります。
夫婦の寝床として使うことがなくなり一つ役割が減ったようにも思えますが、子供たちが帰省したときに寝床にできるなど、そのときどきの用途に合わせて柔軟に使用法を変えることができます。
隣にもう1段下げた絨毯敷きのピットリビングがあるなら、高低差を活用してベンチになります。収納ができたり、リビング空間の続きとしてより広く感じたり、小上がり畳はとても有効に使える空間だと思います。
また、小上がり畳和室を建具で仕切る場合は、建具の当たりに化粧柱を立てることがあります。私の思いとしては、その化粧柱にお子さんの身長を刻んでいって、その柱の傷が家族の思い出のひとつになってくれたらと思っています。