夜空のムコウ
お1人の住まいですが、独立したご息女たちが泊まりにくるときにも快適に過ごせるように設計しました。
バブル時に建てられたデザイナーズマンションで、デザインを優先したがために問題の多い構造でした。最上階角部屋に位置することで、無断熱による冬の寒気は厳しく、夏は天井高さまである出窓が西日を受けるとリビングは灼熱の暑さとなってしまいます。
このような過酷な温熱環境を解決することが、このリフォームの大きな課題でした。
LDK
LDKは開放感のある1つの大きな空間とし、小上がり空間は必要に応じて間仕切ることができるようにしました。
寝室は、温度変化の少ない場所に最小限の大きさで設けています。
今後のライフステージの変化も想定しながら、家族の生活に寄り添ったプランを提案いたしました。
浴室
維持管理性に乏しく、浴室はコンクリ躯体に囲まれ配管も埋込みでした。同じ場所で安全性の高いユニットバスへ交換することは難しく、窓が多く壁面が少ないなど悪条件が重なっていました。
そこで、浴室を灼熱の原因となる西の出窓空間に配しました。浴室として区画し、日射熱の影響を遮断する機能を持たせたのです。もちろん浴室は夏の日中は温度が上昇しますが、換気と南北窓を全開にすることで熱を逃がし、入浴を夜の20時以降に限定。その代わり、大きな窓から夜景を眺めながら入浴ができるリゾートのような浴室を得ることができました。