角部屋の採光を活かした住まい
都内でも商店街が近く暮らしやすい、人気の板橋区蓮根での木のマンションリノベーション。
夫婦二人の終の棲家としてご依頼をいただいた。
最上階角部屋に位置する住居は天井からの放熱と、
光と風が通り抜けない暗い雰囲気に悩まれていた。
以前の暮らし方は、北東側に配置されたダイニングで食事を取り、
隣の和室の壁側に向かってテレビを置き、
窓のない壁に向かう生活をしていた。
二人で料理しながらお酒を楽しみたいもののキッチンは狭くすれ違うのも一苦労。
西側ひと部屋は荷物置き場になっていた。
この住戸のデメリットとなっていた過酷な温熱環境を、断熱改修と空気が行き交うプランで整備し、
最大のポテンシャルである三方向の開口窓を活かす暮らしを提案。
夫婦二人の暮らし方に合わせた、快適で伸びやかな住まいが実現した。
LDK
北側は、視界を遮る建物がなく直射ではない柔らかな採光が入る。
それまでの、壁に向かった生活から、採光を十分に取り込んだ見晴らしの良い生活を提案。
北側開口部に沿ってTV台を造作で配置。ウールカーペット仕上げのピットリビングとし
シングルソファに座ってゆったりと趣味の読書に浸れるリビングとした。
狭かったキッチン空間は大きく場所を移動して元和室側に移設。
セパレートタイプとしてシンクとガスを分け、通路幅を広く取り、夫婦二人の料理時間を楽しめるように配置した。
シンク側のPS(パイプシャフト)は最上階のため通気のみ通り、音を気にしなくて良いため、敢えて壁で囲わず、ペーパーコードを巻きインテリアのアクセントとした。
玄関・和室・洋室
暗く狭かった玄関には、土間と小上り和室をひと続きに配置。
北・西の二方向からの採光が隅々まで行き届き、明るい玄関となった。
小上り和室は普段はセカンドリビング的な役割としてつかず離れずの夫婦の距離感を保つことができる。
またゲストが来た時の寝室、さらには収納、玄関土間からはベンチとして使える高さに設定。
ひと部屋が複数の役割を担い、限りあるマンションの面積を最大限に有効活用している。
洋室は夫婦の寝室としてベッドを入れる予定。
また、奥様が大切にされてきた家具をピッタリと格納できるようにしている。
縁側
東・北・西、三方の窓からの採光が家全体に届くよう、LDKと和室を結ぶのが、北側の縁側空間である。
この通りによって住戸全体に光と風が行き交い、全体の温度差が軽減する。
縁側空間に、季節のものを飾れる飾り棚の機能を備えた収納を造作。
北側の光を十分に取り込める用、以前はキッチン脇の勝手口にも、内側に引き戸と障子を取り付け、大きな開口のように見せた。
デザイン的にもリビングからの空間が奥まで続くような抜け感を感じられるようになっている。