小上がり畳で整う、収納豊かな住まい
教育環境が整い、暮らしやすいと人気の北浦和での木のマンションリノベーション。
夫婦二人と小学生一人、子育て世代の住まいとしてご依頼をいただいた。
最上階角部屋の住居は、エレベーターシャフトが一角を欠いたL字型の形60㎡の空間である。
天井からの放熱と、使いにくい間取りにより荷物が収まりきらないことに悩まれていた。
以前は、一つ一つの部屋が小さく、
収納が少ないためそれぞれの部屋に家具を配置し、生活空間を圧迫していた。
高層で周りに視界を遮る建物がなく、眺望が良いメリットを最大に活かし、
東側に3つ並んだ出窓をデスクとして家族3人の空間を持つことを提案。
並んだデスクは小上がり畳で繋げ、収納と家族それぞれの空間を確保することが可能となった。
この住戸のデメリットとなっていた過酷な温熱環境は、断熱改修と空気が行き交うプランで整備。
回遊できる動線上に生活空間を配置し、広がりを生み出すことができた。
家族三人がそれぞれのデスクに向かって趣味や勉強を楽しめる、ミニマムであっても豊かな住まいが実現した。
小上がり畳空間(家族それぞれの部屋)
家族それぞれに、勉強・趣味をするスペース、寝るスペース、収納を持ちたいとのご希望であった。
限りある空間を最大に有効活用するため、回遊できる動線上にスペースを配置。
このマンションの大きなメリットである眺望、採光の良さを活かして
東面に3つ並ぶ出窓をデスクとし、小上がり畳に腰掛けて椅子に。
東側全面はフラットに畳が繋がるひと続きの豊かな空間とした。
普段は仕切りを開けて開放的に光と風を通し、
引戸やロールスクリーンで仕切れば寝室にとプライベートに使うことができる。
窓枠がそのままデスクカウンターや本棚の側板となるように一体感を持たせ、
収納たっぷりの棚を大工が造作した。
棚の中に電源を組み込み、通信機器なども収めることができる。
LDK
キッチンの位置は既存の位置から大きく移動して配置。
コンパクトであっても十分な機能とキッチン収納を兼ね備えている。
テレビは南面に位置する2つの掃出窓の間の壁面に壁掛けとし、
ダイニングテーブルからと、小上がり畳でベンチのように座ったり寝転んだりしながら見られるようにした。
小上がり畳のスペースは、夜は母の寝室となるが、家族のくつろぎ時間はリビングのように使うこともできる。
収納・回遊動線
キッチン・洗面側は回遊ができることで家事がしやすい動線となった。
玄関から小上がり畳、ウォークスルークローゼットからLDKも全て回遊ができ、
ただの廊下ではなく、収納や洗面台を配置し、共有できる空間を作り出すことで
60㎡というミニマムな面積でもそれ以上の機能を持つような
贅沢な空間とすることができた。
小上がり畳の下部は全て収納となっており、
普段使わないキャンプ用品や季節のものを片付けられるようにしてある。