築古を整えて暮らす 夫婦のフラットな住まい

築古を整えて暮らす 夫婦のフラットな住まい

都心へのアクセスが良い、東京の下町、北区赤羽。
夫婦の終の住処としてご依頼いただいた。

築43年と、築古ならではの大きな柱・梁、開口部の低さなどを、
平面、立面のラインを整えながら設計していった。

既存の窓は鍵もきちんと閉まらない状態であったが、カバー工法で窓を取り替え、断熱性能を大きく改善。
コンクリートは東西南北の壁に天井も含めた5面に断熱施工をし、温熱環境を向上させた。

床は段差のないフラットな仕上げとし、インテリアで自在に暮らしを作ることができる。
共働きのご夫婦が、一緒にくつろぐ時間もそれぞれの時間も、簀戸や引き戸でつかず離れず居られるそれぞれの場所を確保。

築古でも、性能面とデザインをきちんと整えることで、住み心地の良い快適な空間となることがわかる事例となった。

夫婦ともにご自身の好きなことを仕事とし、クリエイターとして活躍されているお二人。
休みの日も音楽や映画を楽しみ、好きなことを思い切り楽しんでほしい。
さらに感性豊かに、またリラックスもできる空間となるようにと想いを巡らせながら設計した。

築年数43年 夫婦 面積66㎡

リビング・ダイニングキッチン・書斎

既存の窓はカバー工法で取り替え、低い位置にあった窓枠の内側に、新しく高い位置に2つの窓を繋げるように木枠を設置。
開口部が大きく明るくなったように演出した。

リビングダイニングの床はフラットに仕上げ、インテリアで自在に暮らしを作れるようフレキシブルな空間とした。
リビング脇の収納棚には、音楽がお好きな施主のお気に入りのDVDなどを収納予定。
収納の奥には書斎を配置し、簾戸を通して光と空気が行き交う。三枚引き戸の開け閉めにより、開放的にも閉鎖的にも使うことができる。

キッチンは夫婦で料理がしやすいよう、回遊動線のあるセパレートのフルフラットキッチンに。
窓側にはカウンターを造作してワークスペースとした。
柱・梁・ダクトを隠しつつ、綺麗に見えるプロポーションを探りながらデザインしていった。

一緒にくつろぐ時間もそれぞれの時間も楽しめる居場所をいくつも作り、
夫婦の暮らしを想像しながら「つかず離れず」の距離感で過ごせるLDK空間とした。

廊下・洗面コーナー・玄関

廊下にはディスプレイ収納を配置し、通るスペースと収納前に立つスペースを共有した。
オープンな収納は固定棚でラインを整えてディスプレイを楽しみ、クローズの収納は可動棚にして収納の幅を広げた。

廊下の延長上に洗面コーナーを配置。
建具で仕切らないことで広々と、脱衣所に入らずに洗面を使用でき、空間の広がりと使いやすさを両立している。

玄関ドアは既にカバー工法で取り替えられていたが、それでも鉄扉から来る冷気を軽減させるため、ハニカムブラインドを設置した。
玄関収納から洗面コーナーを経てリビングまで空間が抜けるようにデザインし、奥行きと広がりを感じられるようにした。

洋室・ウォークスルークローゼット

共有の廊下と接する洋室は音や光が気にならないよう、二重窓とハニカムブラインド、更にはインナーカーテンで工夫。
快適な寝室とした。

洋室からはウォークスルークローゼットを抜けてキッチンへと繋がる。
住戸内を貫く大きなふたつの動線で、温熱環境を整えた。

ギャラリー

「赤羽の家」解説ルームツアー